「あ〜,疲れた」と感じた時にみなさんはどのように疲れを解消しているでしょうか?とにかく寝る,ソファーでのんびりと過ごすなど,その人なりの疲労回復法があると思います.しかし,たくさん眠っても,のんびり横になって休んでも,疲れが取れずに,余計に体がだるくなったという経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
辞書で「休養」という言葉を調べると「気力や体力を回復するために、仕事などをやすんで体を養うこと。(精選版日本国語大辞典)」とあります.睡眠など体と脳を休めることを消極的休養と呼ぶことがありますが,これに対して,心に栄養を与えるような心地よい運動や活動を行うことで,気力や体力を回復することを積極的休養と呼ぶそうです.では,どんな運動でも心と体を回復する積極的休養になるのでしょうか?苦痛や無理を感じる運動や運動後に疲労困憊してしまうような運動は,積極的休養とはならず,逆に疲労を蓄積してしまいます.疲労回復のために積極的休養として運動を行う場合には,自分の心と体を大切にすることを念頭に,心地よい疲労感や爽快感が得られる運動が良いようです.
ゆっくりとした呼吸を伴う穏やかなヨガの運動は,次のような理由から体と心の疲労を癒し,積極的休養をもたらします.ヨガの体操では,ゆったりと穏やかな動作を繰り返し,全身をさまざまな方向に動かします.この穏やかな全身的な運動が血行を促進し,体内に蓄積された疲労物質の排出を助けます.またヨガで行うゆっくりとした呼吸は,自然と呼吸を深め,普段は使うことのない肺の部分にまで酸素を届け,不要な二酸化炭素の排出を促す「効率の良い呼吸」につながります.この効率の良い呼吸が,全身の血行促進に加えてさらに疲労回復効果を高めることが期待できます.さらに体や呼吸に意識を集中させて行うヨガの運動は,不安や悩みごとなどから離れ,心を落ち着かせることによって,疲れた心の回復につながります.
休養は,自分を大切に,自分を回復させる時間を意識的に作ることだそうです.好きな音楽を聴く,ゆっくりとお風呂に入る,心地よいマッサージを受けるなど,その人の好みに応じて,その時々の心身の状態に合わせて,積極的に心と体を回復できるといいな,と思います.積極的休養の一つの手段として,ヨガがみなさまの役に立つかもしれません.自分を大切に,心と体を回復させるヨガを試していただければ幸いです.
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